昨日の今日

遠くへ行きたい。「2022.3」

f:id:You1999:20220319124730j:image3月ですね。ロシア現代思想のことを調べようと思って、まずそこへの足がかりとしてシュミットを読んでいたら、いつのまにか「旅」のことを考えていた。ニューヨーク嶋佐の今年の抱負も「旅に行こうよ」でしたし、自分自身でも社会からでもなんとなく移動することを抑制してしまうこの時期に立ち止まって「旅」のことを考えてみるにはちょうどいいかもしれない。旅に行こうよ。

ペール・アンデション『旅の効用』では、まず

一万三千年前まで、私たちは遊牧民だった。私たちの遺伝子の中には旅心が潜んでいる。地平線や水平線の彼方には行ってみたいという気になるのは遺伝に基づく衝動であり、人類共通の古来の願望だ。旅をしたいという希望は普遍的なのである。

という書き出しから始まる。遺伝とか人類共通のとかはあまりに言い過ぎなような気もするけれど、コロナ禍の自室で軟禁状態になったときの閉塞感と鬱々としたことを思い出せば、人間にとって移動が大切であることを実感するのには十分かもしれない。やがて政治的な境界線と土地所有によって内と外が意識されるようになると、私とあなたは違うということではなく、私たちは同じであるということによる排他的なナショナリズムが移動を敏感にさせていく。地政学のことを考える必要が迫られる。「ここは良い場所だなと思った地点に定住するようになる。だんだん人口も増えてくる。そのうち川向こうに乱暴な連中が住みつくようになって、トラブルが起こり始める。二年、三年と天候不順が続いたりする。すると移動しなくなった人類は、隣人対策や災害対策に知恵を絞るようになります。こうして地政学的な問題を人類が抱えるようになりました」と出口治明『教養としての「地政学」入門』では綴られている。しかし、とは言いつつも人間は他国へ入国するし、外国人を受け入れる。他国の産業による食べものや小説、映画を受け入れる。このナショナリズムグローバリズムの二層構造の間にあるのが観光客の哲学であるとするのがゲンロン0『観光客の哲学』(旅と観光を区別しなくちゃいけないだろうけれど、同じようなものとしてひとまず読んでしまっています)だ。おもしろい本。

ゲンロン0 観光客の哲学

ゲンロン0 観光客の哲学

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この本がまずもって検討していることは、他者との協働を望まない人間が、しかしなぜそれゆえに他者との関係を形成したいと思ってしまうのかということである。それはルソーが自室で音楽や文学に浸り、ひとりきりの幸福を噛み締めることを大切にしながらも、一般意志としての全体性への関わりを強調しているのかに繋がっていき、やがて、ヘーゲルがそこに家族→市民→国民という弁証法による国家の意味を見出し、無意識化における人倫への関わりによって人間たるものとしての存在理由が立ち上がってくるとしたことなども付け加えられる(そこでアーレントの労働と活動も)。そして、友と敵をはっきりと区別することによって国家というものの存在の輪郭が確からしく現れるのであるとするシュミットの話に進む。しかし、国境を無視し、国家を中心としない、そんなアーレントのいう活動をしない観光客を「人間」としてどのように定義できるのか、乗り越えることができるのか。

観光とは言いつつも、「消費」に関していえば、世界はほとんどひとつになりつつある。「マクドナルドでハンバーガー食べ、GAPで服を買い、ショッピングモールで…」(p119)というふうに。しかし同時に、難民の排除やイギリスのEU離脱などナショナリズムは高まり、国境を意識することが強いられてもいて、このグローバリズムナショナリズムという二つのアンビバレントな統合されることのない原理を持ち合わせているのが現在の世界ということになる。自由だが孤独なまま部屋でくつろぐか、連帯をもったとしても国家への帰属意識がはっきりとさせられるか、どちらか選ぶのか、それらではない第三の道を開く萌芽が観光客の道にあるのではないか、と。

観光客とはなにか。ここまで述べてきたとおり、それはまずは、帝国の体制と国民国家の体制のあいだを往復し、私的な生の実感を私的なまま公的な政治につなげる存在の名称である。p155

そして、観光を〈誤配〉という意味を含んだ郵便的な意味で用いることで、私的な生が誤配によってつながり損ねることにより、ないはずの連帯の輪郭を顕にしていくというのも面白い。『一般意志2.0』と同じ文脈で、“同じ”ではなく“同じではないかもしれない”ということにおいてつながる必要があるというローティの話が扱われている。

たまたま目のまえに苦しんでいる人間がいる。ぼくたちはどうしようもなくそのひとに声をかける。同情する。それこそが連帯の基礎であり、「われわれ」の基礎であり、社会の基礎なのだとローティは言おうとしているp197

私的でありたいと思いながら公的に接続してしまうのはまさに人間の無意識的なものであり、ルソーの憐れみのこともここでつながってくるし、『手の倫理』冒頭、母親と子どものエピソードから、今、『利他とは何か?』に進んでいる伊藤亜紗のことも思い出される。この憐れみ=誤配の拡張性は家族という偶然性の共同体をも例に挙げ説明されている。私たちは生まれたばかりの子どもやペットである犬やハムスターを家族と“みなす”ことができる。そうすることで、家族として受け入れ、人格を受け入れ付与し連帯する。そうでないものをそうであるとすることによって招き入れる。人間にそうすることができる力がある。その偶然性による尊さが家族の誤配であり、観光客の誤配でもある。本書の最後のふたつの章が東浩紀も言及してあるとおりうまく纏まっていないのだけれど、孤独に閉じこもるのでもなく、やたらに開放性を訴えるのでもなく、グローバリズムナショナリズムの二層構造の間、内側にアイデンティティを持ちながらも訪れる旅先で観光客として受け入れられ、愛や憐れみの感情が浮かび上がる、その誤配性にこそ人間としての善き生みたいなものが立ち上がるのではないか、ということとして読める優しくも力強い結末がめちゃいい。愛の話なのである。とても面白いし感動的だし美しいと思う。東浩紀 ゲンロン0『観光客の哲学』とても良い本だと思いました。おすすめ!

旅の話だと『thesignpodcast』でのS4-E9,10:『僕らが旅に出る理由』も良かった。

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文学的な問いのこと(間違っているかもしれないけれども心の中に存在する正義のようなこととして理解して良いのでしょうか?)は面白いし難しいですよね。それで、さらに旅を欲する人には、旅を続けるくるりの話について書かれているこのnoteも面白いので、読むと良いかもしれない。

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くるり結成25周年記念『くるりの25回転』ライブも旅を続けるくるりの決意が美しかったですよね。くるり結成25周年記念『くるりの25回転』東京公演 - 昨日の今日くるり結成25周年記念『くるりの25回転』東京公演 - 昨日の今日    思いがけない他者と遭遇することによる誤配というモチーフは永井玲衣『水中の哲学者たち』でも同様のことが書かれている。美しい文体で悩み迷うことの美しさが哲学対話されている。スティーヴン・キング『トム・ゴードンに恋した少女』もまた読み直したのだけど、この映画化ってどうなったんでしたっけ?

パンプキンポテトフライ谷さんの影響からか私は急激に中村俊輔LOVEになりつつある。俊輔のプレー集やベストゴールシーンをYoutubeで漁ってうっとりしている。幼少期からマリノスファンだったのだけれど、私がサッカー少年だった頃は良くも悪くも俊輔のチームというものになってしまっていて、ボールを奪ってからその勢いのまま前線へと素早い攻撃を仕掛けていきたいのに、ボールをキープしたくてこねまわす俊輔のところで止まってしまうのにイライラしていた。そして、俊輔が磐田へと移籍したことによって、マリノスは戦い方を激しいプレスからの縦に速いものへとうまく変えていくことができたのだった。そう、私は中村俊輔が1番良いときというのを知らないのです。今更になって俊輔のプレーに魅了されているのだけど、引退してしまう前で良かったと胸を撫で下ろそう。『イタリア日記』で最も感動した映画として俊輔が挙げていたデヴィッド・アンスポー『ルディ』

も観ました。サッカーのこと。ユーロ優勝からのイタリア代表の2大会連続のW杯出場ならずの急降下に頭を抱えてしまう。昨年の悲劇の繰り返しはあまりに残念すぎる。キエッリーニボヌッチはこれが最後のW杯になっただろうから出てほしかった。キエーザ、スピナッツォーラなどをケガで欠いているのがそうとう響いたのだろうけれど、インモービレは今季もセリエAで得点王なわけだからもうちょっと無理な体勢からでも強引なシュートをぶち込むなど最後のクオリティを発揮して欲しかった。サラーもW杯に行けなかった。前回大会はあのラモスの最悪な肘固めのせいでほとんど出場できていなかったし今年こそは…という感じだったのに。イタリア代表が2年連続でW杯に出られない悲劇で世界中に轟かせながらも、日本は体たらくなままで最終予選を突破して、7大会連続のW杯出場を決めていた。本戦はどんなチームになるのでしょうね。三笘と久保のウイングに上田綺世のワントップなど見たい。マリノスは、宮市が日本に帰還してからの初スタメンなどがありました。胸が高鳴ってしまった。快速スプリントを何度かお披露目してくれて、これからさらに試合感を取り戻してくれたらと考えるとワクワクしてしまいますね。チアゴと入れ替わるようにしてやってきたエドゥアルドは無理に縦につけて奪われるというシーンが多いのだけれど、しかし問題はそのあとに「うわってミスった…」と顔を下に向けてしまうなどトランジションの遅さに起因するのが露呈することであり、ちょっとこれではマリノスのサッカーを体現するには厳しいものがある。がんばれー。ユヴェントスはディバラとの別れがほとんど決定的。悲しい。

漫画のこと。Youtubeで杏さんがベストワン漫画として挙げていた森薫乙嫁語り』を読み始めました。ワイド版もあるそうなので気になる。タコピーは単行本としてはまだ上巻しか出ていないけれど、Webではもう無事に完結していて、物語の閉じ方としてはとてもささやかなものだったけれど良かったですね。

鶴田謙二の新作はあいもかわらず最高ですし(dmmブックスではエマノンシリーズがセールになってますよ!私はエマノンみたいな人が好き)、『ダンダダン』もハチャメチャで楽しい。『往生際の意味を知れ!』の連載が再開したり、『九龍ジェネリックロマンス』の新刊がやって出たりするそうなので、それも楽しみですね。

ドラマのこと。結局、今期のドラマはほとんど途中で断念してしまった。完走できたのは土曜の深夜に放送されていた東海テレビ×日本映画放送の共同制作『おいハンサム!!』と『カムカムエブリバディ』だけでした。それと、f:id:You1999:20220228205338j:image『ミステリと言う勿れ』が話題でしたが、私はTVerで『古畑任三郎』を観ていました。第1話、赤い車に犬を乗せてドライブする中森明菜という冒頭シーンで『ドライブ・マイ・カー』を想起せずにはいられなかった。人間はいつだったまたエンジンをかけて走り出すことができる。

まだまだじゃないですかあ!第1巻目が終わったところですよ、カリマンタンで言えば。ハッピーエンドは最後の最後にとっておけばいいんです。あなたはいい奥さんになれますよ。

という古畑印の科白がシリーズの方向性を指し示すのが良かった。2話、3話も観ていくも、しかし、犯人がみんなバカなんだよなあ、と思わずにはいられない瞬間が多々ある。それでも勝手に沼にハマっていくのは、それも『古畑任三郎』もまた「ミステリと言う勿れ」ということなのですかね。古畑の演技をみるドラマなのだ。11話で「嘘の下手なひとはすべてを嘘で塗り固めようとします。しかし、嘘の上手い人はですね、肝心なところだけ嘘をついて、あとはその…できるだけ本当のことを話そうとする」と古畑のセリフがあったのだけれど、『進撃の巨人』でのピクシスの「嘘の中に本当ことを混ぜて話すとバレにくくなる」ってセリフはここからきていたのですね。諫山さんも古畑が好きなのですかね。ときに、古畑が乗っている自転車は30台しか発売されていないCELINEの代物であるの良いですよね。自転車に乗る古畑かわいいしカッコいい。今日、『古畑任三郎』が放送されていたら、霜降り明星が犯人役で出たりしていたのでしょうか。めちゃファンの方が書いたnoteおもしろかった。

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『R-1』決勝でもサツマカワRPGが敗者コメントで古畑やってましたね。みんな古畑が好きなのだな。『R-1』お見送り芸人しんいちが優勝したのは嬉しいのだけれど、個人的には寺田寛明が最高に面白かった。Youtubeにも決勝ネタがあげられている。

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決勝ではこれがさらにブラッシュアップされていましたよね。テニスのとこと電車の運賃のとこめちゃんこ笑いました。

お笑いのこと。3月の初めに屋敷の結婚発表があった。結婚することがどうだとかはわかりませんが(萩原朔太郎も結婚は墓場だというし)、屋敷の周りにいる芸人になる前の友人の多くはもう結婚して子供がいるやつらがほとんどとニューラジオなどで話していたけれど、嶋佐の友達はほとんど結婚していないそうなので、そういうのも何かありそうですよね。嶋佐はレゴにハマったらしく、夜な夜な組み立てに凝っているようです。それも素敵だと思う。

Netflixトークサバイバー』も観た。ドラマ部分のクオリティがやや残念ではあるけれど、楽しめた。狩野英孝は全編にわたって最高だし、『すべらない話』でも披露していた、エンジンのかかりづらい原チャリを押しながら向かっていたらそのままコンビニについてしまった話もニンマリしてしまった。しかし、やっぱり私はもっとドラマパートに期待していたので、第2シリーズがあるのならドラマ寄りでお願いしたい。東出昌大を使ってくれたの嬉しかったし、ノブのツッコミが東出昌大が出てくれるなんてすごい!というような感じだったのも良かった。

映画のこと。新作映画観るの怠いな、という気分にはなりつつも、興味を持ったものはやっぱり観ておこうという気持ちあるにはあるのだけれど、3月は全然観れていない。『この日々が凪いだら』は観に行った。普通に良い映画だった(最近思うのですが、もうほとんどまあ良い映画だなあって感じでなんかなあって感じです)。主人公の恋人役を演じている瀬戸かほさんがthe telephonesの人と結婚した内田ゆうほと空目した。上映後のトークショーには主題歌を担当する羊文学の塩塚モエカも登壇。羊文学はとっても人気になってきているようで、今度あるツアーは追加公演も決まったようです。

Spotifyでは、Faye Websterのツアーにも参加するKate Bollingerをよく聴いていました。ときに、Faye WebsterのATLANTA MILLIONAIRES CLUB帽子が欲しいのだけれど、なかなか見つからない。誰かどこかで見つけたらください。お願いします。Twitterでよく見かけるSpotistatsを入れてみたのですが、IZ*ONEとFaye Websterを聴いてるだけでした。

Who Am I But Someone

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OH MY GIRLの新譜はなんでこうすべて最高なのでしょう。しかし、今作はおまごるっぽくない曲が多いですね。『Eden』と『Dear Rose』がフェイバリット。おまごるが日本に来ることがあるのなら観てみたいけれど、その反動でめちゃ死にたくなりそうだなあ。ユビンというのがまだ慣れなくてビニって呼んじゃいます。ITZY『Voltage』も好きすぎて、このMVを毎日3回以上は観ています。ITZY「Voltage」Music Video - YouTube 「Hot Hot Hot Hot 上がるわ Tension」のリュジンと「冷めた目つき・・・見て見ぬ振り」のユナがお気に入り。悶絶してしまう。めちゃカッコいい。「Boom Boom」のところも叫びたいほどに最高なのです。これほんとに好き。『有吉ぃぃeeeee!』でやっていた『PICO PARK』回がとっても面白かったので、やってみたい。

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